「十天覚醒/ETA」と入れ替わりで3月末に登場した新パック「天象の楽土/EOP」。
「ガンダゴウザ」「ラスティナ」「サラーサ」などの十天衆を始めとするパワーカードが数多くスタン落ちし、既存のアーキタイプは軒並み崩壊。必然的に、強力な新カードと相性の良いクラス・デッキが環境を形成することとなった。
事前情報の段階で特に注目を集めたのがこのカード。
サタナエル
ニュートラル・レジェンド・フォロワー コスト6 6/6(8/8)
ファンファーレ 自分の手札すべてを消滅させる。アポカリプスカード かコキュートスカード の中から、ランダムに6種類を1枚ずつ、手札に加える。
「氷獄の王・サタン」に続く2回目のサタンリメイク。従来と違ってデッキを入れ替えるのではなく直接手札に加えるため、プレイした次のターンから広く動けるのがポイント。「サタナエル」さえプレイできるならハンドリソースが枯渇する心配が不要で、また手札を消滅させるので逆に加えるカードが溢れる恐れもない。
プレイが勝利に直結する一方で、6というコストは決して軽くない。予想通り、リリース後はこの「サタナエル」を最もうまく使えるクラスが環境を席巻していった。つまりはドラゴンである。
リリース直後数日のランクマッチでは、安定感重視のオーソドックスな「サタナエルドラゴン」と、より攻撃性に長ける「サタナエル3積みハイランダードラゴン」の2強デッキが猛威を振るった。
ドラゴンの躍進には「スーロン」の影響もかなり大きい。
独尊龍・スーロン
ドラゴン・レジェンド・フォロワー コスト4 3/4(5/6)
ファンファーレ 自分のリーダーを3回復。覚醒状態なら、波濤の暴圧1枚を手札に加える。
進化時 自分のPP最大値を+1する。
波濤の暴圧
ドラゴン・レジェンド・スペル(トークン) コスト1
ランダムな相手フォロワー1体に5ダメージ。
自分の独尊龍・スーロンすべてはEPを消費せず進化できるを持つ。(1ターンに1体しか進化できない制限はある)
回復、PPブースト、盤面処理、無料進化を1枚でこなすハイスペックカード。後攻4ターン目で進化すれば次のターンでサタナエルに繋がる動きが特に強力。また回復には覚醒状態や進化権を必要としないので、対アグロの序盤や、「貪欲なスコーピオン」「欲望を纏う者」を引けなかった場合の長期戦でも体力を維持できるのが頼もしい。
「スーロン」の追加は前期において活躍していた「バーンドラゴン」「バフドラゴン」にも追い風ではあった。しかし、前者はサタナエルの効果によって手札の「黒龍の呪い」が消滅する点、後者はデッキをバフしてもアポカリプスカード/コキュートスカードの体力が増えない点が問題。両者ともサタナエルとの噛み合いが悪く、環境から姿を消していった。
*一応、「竜殺しの槍」+「アスタロトの宣告」によるワンキルコンボは存在するので、サタナエルドラゴンへのローウェンの採用は少なからず見られる。
「サタナエル」という強力なニュートラルカードによってドラゴンが環境を牽引する一方で、ドラゴンというクラスに与えられたデザイナーズデッキが通称「温泉ドラゴン」。
秘湯の山脈竜
ドラゴン・レジェンド・フォロワー コスト6 5/5(7/7)
突進
これの攻撃力か体力を能力で+したとき、カードを1枚引く。
ファンファーレ 竜山温泉1つを出す。
竜山温泉
ドラゴン・レジェンド・アミュレット(トークン) コスト5
カウントダウン 10
能力によって破壊されない。(カウントダウン によっては破壊される)
自分の場にフォロワーが出るたび、このカウントダウン を1進める。
自分のターン終了時、自分のフォロワーすべてを+1/+1する。このカウントダウン が5以下なら、+1/+1ではなく+2/+2する。
ラストワード 相手のリーダーと相手のフォロワーすべてに5ダメージ。
トークンアミュレットと関連カードによって盤面を強化しつつ、ラストワードで5点を顔含む全体に飛ばす。立ち上がりは遅いものの、強化された盤面は処理が追いつかずにそのまま勝ってしまうこともしばしば。温泉のイメージに反して回復効果はないが「スーロン」があるのでさほど問題ではない。
強力なデッキではあるが、6コスト帯でサタナエルと被るのが最大の問題。また「サタナエル」によって加わるカードでは横に広く展開することが難しいため、盤面バフとの相性もイマイチ。
駆け足ではあったが、現時点での環境考察はこんなところで。
一応のティアリストはこちら。
S:サタナエルドラゴン、ハイランダードラゴン
A:温泉ドラゴン
B:バーンドラゴン、バフドラゴン
C:上記以外
サタナエルがスタン落ちするまではSティアは固定かもしれない。アディショナルカードとサタナエルとの相性が気になるところ。
それでは、良きシャドバライフを。